治療について

人間が中心の思いやり医療

私たちは、質の高い医療を提供すると同時に、質の高い看護を実践いたします。
医療を「人間を中心とする高度なサービス業」と位置づけ、その実践者たるべく精進を惜しみません。
各フロアには専門スタッフが常駐し、スタッフステーションはオープンカウンターのつくりで常時開放されています。
患者さまのプライバシーを守りつつ、迅速かつ心のかようお世話をいたします。
秀峰会自慢のプロの専門スタッフチームが一丸となって、万全の体制で社会復帰部門と連携した医療ケアプログラムを推進しています。

北辰の治療プログラム

治療の第一歩は、医師が患者さまのお話しをゆっくりと伺わせていただくことから始まります。
こうしたやりとりも精神医療の世界では重要な治療法のひとつです。
さらに、医師と患者さまの言葉のやりとりを中心とした精神療法のほかに、自己洞察を深める内観療法、向精神薬を用いる薬物療法、絵画や園芸など創造的・生産的な活動を行う作業療法、歌・踊り・ゲーム・スポーツなど集団で行なうレクリエーション療法、対人関係などの生活能力の改善を目指す日常生活技能訓練(SST)など、さまざまな治療法を取り入れています。
こうした治療法を段階的に実施したり、複数の治療法を組み合わせることなどにより、少しずつ症状を改善させていきます。

ただし、治療に近道はありません。ときには立ち止まったり、まわり道になることもあるかもしれません。
大切なことは、その人その人に合った治療法で一歩一歩確実に進めていくことです。

治療の基本は「あせらず、ゆっくり」です。

薬について

精神科の治療には向精神薬(※)を用いた薬物療法が欠かせませんが、当院では医師の指示の下、薬剤師が患者さまひとりひとりに薬の効用などの服薬指導を行なっています。また、入院患者さまを対象にした「お薬教室」などを開催し、服薬の重要性や薬が作用する仕組みなどについて説明を行なっています。

※向精神薬―― 精神機能に影響を及ぼす薬を総称して「向精神薬」といいます。症状によって用いる薬は異なりますが、抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬、抗不安薬、睡眠薬などがあります

作業療法について

精神科における作業療法とは、精神疾患の治療法のひとつです。
たとえば日常的な作業である料理や洗濯、集団で行なう生産的作業としての園芸や除草、さらに創造的作業である絵画や陶芸、そして音楽や歌、ゲームなどのレクリエーション活動などを通じて、患者さまの自主性・社会性の回復、維持をはかることを目的として行なわれています。

「北辰」では、患者さまが早期退院をより確実なものとし、さらに、何か目的や目標をもつことで退院後もより充実した生活を送ることができるように、治療段階に応じたさまざまな活動の機会を提供しています。
七宝焼き・陶芸・皮革工芸製作・書道(毛筆、硬筆)・絵画・料理教室・園芸・運動(ソフトボール、ウォーキングetc.)、そのほかにも各種レクリエーションやゲームなどがあります。

作業療法への参加を嫌がる患者さまに対しては、焦らずに、むしろひとりひとりに別の角度からさまざまなアプローチを試みます。患者さまの作業療法へのほんの些細な関心も見逃すことなく、作業療法活動への参加に結びつけていきます。

毎月、開催される患者さまのお誕生会。四季折々の季節を感じていただくための各種行事の開催には、地域にお住まいのかたがたやボランティアグループ、地域作業所など、数多くの皆さまがたにご協力いただき、社会とのふれあいをもちながら開催しています。
節分(豆まき)・ひな祭り・お花見・バザー・七夕・盆踊り・文化祭・旅行・クリスマス会・餅つき・蕎麦うちなど、さまざまな活動を行なっています。

心理療法について

最近の日経新聞調査によれば、ストレス解消法として米英では「話を聞いてもらう」が上位を占めているそうです。とくに米国では「カウンセリング自体が浸透しており、
仲間に悩みを聞いてもらう習慣がついている」といいます。


心理療法(カウンセリング)では高度な臨床心理学的知識や技法を用いて、心に悩みを抱えるかた、より豊かな人生を送りたいと願うかたがたに援助を行ないます。
「北辰」の心理療法は、大学院修士課程を経て、専門知識と技術を習得した専門の心理士によるカウンセリングです。もちろん、お申し込みおよびカウンセリングの内容については守秘義務を厳守いたします。

カウンセリングのご予約、
お問合わせは、

 048-985-3333(代)

内線2011または2012(外来フロア・心理士まで)


SST(日常生活技能訓練)について

SSTとはSocial Skills Trainingの略で、日本では「社会技能訓練」とも呼ばれています。
社会復帰に必要な対人関係を中心とした生活能力の改善・向上を目的に実施されます。
おおむね10人程度のグループで行なう集団療法であり、普段の生活の中で苦手と感じている場面や、日常生活の中で直面する困難な場面など、さまざまな状況を取り上げて、
患者さまみんなでその対処方法を話し合い、再現しながら共に練習をしていきます。


内観療法について

内観療法は、わが国の吉本伊信氏によって提唱されたもので、浄土真宗の「身調べ」を応用したものです。
被験者ご本人に、ご自身が身近な人に対してとってきた態度を具体的に回想していただくことにより、自己の罪と周囲の人たちによる愛を自覚させ、自己洞察を深めることを目的としています。

些細なことに執着して、そこに心がとらわれてしまったり、心の動揺が抑えられずイライラしたり、焦燥感に苛(さいな)まれたり、あるいは、いつもお酒などに頼って逃げてしまうなど、そうしたことでお悩みのかたには内観療法をおすすめいたします。内観療法は外界の刺激から離れて、静かに自己の心を見つける自己探求法であり、個人療法のひとつです。たとえば……

(1)自分が身近な人からしてもらったこと
(2)自分が身近な人たちにしたこと
(3)自分が身近な人たちに迷惑をかけたこと


などについて、具体的な事実を過去から現在に至るまで調べてゆきます。
和室の隅に屏風を立てたわずか1m四方の空間に座り、静かに自分自身を見つめます。
内観を終えたあとは清清しい気持ちになり、心が落ち着きます。カウンセリングを1年半から2年ぐらいかけて行なう内容を、1週間で行なうに匹敵する有効な治療法です